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【Libraアイ】教育虐待(後編)

2024.12.16
更新:2024.12.18

リーブラ相談室では、月に1回の「夫婦・家庭問題専門相談日」を設けています。離婚や別居、夫婦関係の不和、それに伴う子どもへの影響や子どもへの対応などのご相談を受けている元家裁調査官(臨床心理士)が、皆様のご相談のヒントとなる情報をコラム形式でお伝えしています。

今回のテーマは「教育虐待」。今回は後編です。

前編はこちら
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さて、前編では「教育虐待」の架空事例を紹介しました。そしてその裏側に、夫婦関係の問題があることがあることもお伝えしました。後編では、小学校受験をサポートする親がなぜ教育虐待に陥りやすいのか、筆者なりの考えを述べたいと思います。

不健全な母子密着関係

受験・子どもへの教育を通じて、不健全な母子密着関係に陥りやすいことが挙げられます。
未就学児にとって、母親が全てといっても過言ではありません。そんな母親が指導役となるため、子どもは「大好きな母親に褒められたい、認められたい、嫌われたくない」という気持ちで母親に依存していきます。また、母親もそんな素直でかわいい子どもに対し、全てをかけて尽くしたくなり、母子密着に陥りやすくなります。密着しすぎるがゆえに、その関係性から周りが見えなくなっていくことが想像されます。

遊びと勉強の境界線

次に、遊びと勉強の線引きが難しいことです。小学校受験の勉強は多岐にわたり、面接や実技試験があるため、例えば運動や音楽、絵画など、日常生活全てが勉強の題材になり得ます。そのため、朝食やお風呂のような日常的な時間であっても、親は際限なく子どもに学習を強いてしまいます。

親の自己実現や自己肯定感の欠如

親の自己実現や自己肯定感の欠如が教育虐待に反映されやすいという視点も重要です。
小学校受験は、良くも悪くも親の力が大きく影響します。まだ自主的に勉強する年齢ではないため、親がうまく導いていく必要があります。しかし、子どもの成績が悪いと、親は「自分が悪い」と思い込んでしまい、自己肯定感の低い親や劣等感の強い親は必死に挽回しようとしてしまうのです。

一方、教育虐待というと母子の問題と捉えがちですが、中学校受験になると勉強の内容も高度になり、父親が積極的に関与することもあります。日頃子育てを妻に任せきりの夫が、子育てに関与するのは一見良いことのようですが、やり方を間違えると、同じく教育虐待につながることがあります。

よくあるのが、子どもが親に依存してしまうケースです。
親の対応がどんなに不適切なものだったとしても、子どもとしては、「この親についていけば合格できる。」「親に見捨てられたら終わりだ」、そんな気持ちで親と離れられなくなるのです。

■教育虐待に陥らないポイント

教育虐待は、程度の差はあれ、どこの家庭でも起こりうる悲劇です。そこで、教育虐待に陥らないためのポイントをひとつだけお伝えしたいと思います。

そのポイントとは、「相手を思い通りに動かすことを諦める」ことです。教育虐待の裏に潜んでいるのは、「子どもは自分のもの」、「子どもの人生は親が責任をもつ」、「子どもは親の言うことを聞くべき」といった、子どもの人生と自分の人生を混同する考え方です。

子どもが自分やパートナーに似ていることが多いでしょう。でも100%同じではなく、異なることもあれば、良いところばかりが似るわけでもありません。兄弟姉妹でも全く性格・考え方などが異なっていることもあるでしょう。
子どもも一人の人格です。
ぜひ、「子どもは自分とは違うひとつの人格。親だとしてもやってあげられることは多くはない。」と肩の力を抜いてみてくださいね。
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リーブラ相談室では、夫婦関係や家族の問題などのお話を伺うほか、夫婦・家庭問題専門相談では、お子さまへの影響についても専門家が相談を受けています。

自治体等のサポートも紹介していますので、一人で悩まず、専門家への相談も検討してみてください。

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