【家族問題編】あなたの実家は大丈夫?親の介護から始まる相続の前哨戦
リーブラ相談室では、月に1回の「夫婦・家庭問題専門相談日」を設けています。離婚や別居、夫婦関係の不和、それに伴う子どもへの影響や子どもへの対応などのご相談を受けている元家裁調査官が、皆様のご相談のヒントとなる情報をコラム形式でお伝えしています。
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【家族問題編】
あなたの実家は大丈夫?親の介護から始まる相続の前哨戦
相続の問題は、親が亡くなってから始まると思っていませんか?
実は、そうではありません。相続の前哨戦は、次のようなステップで始まります。
①親の介護が必要になり、きょうだいで話合い
②親の近くにいるきょうだいがお世話係に就任
ここまではよくある話です。遠方のきょうだいは、親の近くにいてお世話をしてくれるきょうだいに感謝し、せめて金銭面の援助だけでもと気を遣う人もいます。
しかし、人間は不思議なもので、感謝の気持ちは長くは続きません。いつの間にか、次のステップに進んでいきます。
③遠方のきょうだいが親の金銭管理に疑問を抱く
④親の介護をしているきょうだいは、遠方のきょうだいの非協力的な態度に不満が募る
まず、遠方にいるきょうだいは、親のお金が正しく管理されているか気になってきます。
「介護にかこつけて、親の年金を使いこんでいるんじゃないか」
「せっかく親が貯めた預金を勝手に引き出していないか」
「相続の際、自分の取り分が減るじゃないか」
そんなことが頭をよぎります。
一方、介護を担っているきょうだいも同様です。
最初は遠方のきょうだいがお金を出してくれていることに感謝の気持ちもありますが、段々と「これっぽっちのお金で大きな顔をしないでほしい。介護の方が断然大変だ!」という気持ちになってきます。ましてや、遠方の親族から金銭管理を疑われたりしたら、怒り心頭です。
誰が親のお金を管理するのか、介護はどうするのか、施設に入れるか入れないか・・・
そして相続を見据えた前哨戦が始まるのです。
「うちは仲が良いので大丈夫」「まだ両親も元気だし問題ない」「昔から決めているから大丈夫」・・・
それでも、月日が流れ環境が変われば、考え方も変わることがあります。
親族だけで解決できない時、遠方で親の介護が難しい時・・・。
そんなとき、ひとつの解決策になるのが「成年後見制度」です。ただ、成年後見制度は難しく、人によってはうまく活用できないこともあるようです。港区では「成年後見利用支援センター サポートみなと」が設置されていますので、相談されるのもよいと思います。
このような親族のもめごと、今後起こり得るであろう不安なども、リーブラの専門相談でご相談いただけます。既に問題のある方、不安のある方、知識をつけておきたい方など、是非ご活用ください。
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